放射線治療に気持ちが傾いたきっかけ
放射線いいかも?と思った瞬間
がんの告知から数週間、私たち家族は手術と放射線の治療法について、たくさん調べました。
そして、放射線治療のほうが体への負担が少なく、治療中も治療後も普段と変わらない生活が
送れる!というメリットを感じました。よしっ!放射線治療に決めよう!ということで、
放射線科の医師との面談にやってきました。
雑談から、ライフスタイルを
👨⚕️ご家族は何人ですか?子どもは何人いますか?同居されていますか?お仕事や趣味など、普段、どのような生活をしていますか?
雑談として、お見合い?? とも思えるほど、ライフスタイルを聞かれました。
実はとても大事なこと・・
なぜかというと、前立腺がんっていうのは、他のがんに比べるとのんびりしている。のんびりしているということは、人間の寿命の中でがんが暴れてくるかどうか、という所を色々考えないといけない。例えば、他のがんで、最初にこんなに小さかったとしても、いきなり他の部位にポーンと飛んだり、突然調子悪くなったりする可能性があったりする。見つけたらすぐに叩き潰せみたいな、生死に関わることがあるけれど、前立腺がんはちょっと違う。今回のように、手術や放射線治療を選択してしっかり治そうという方は、10年以上長生きできるかどうか、よく見定めて選びましょうね、という話。
前立腺の特徴をわかりやすく
- 前立腺は、膀胱のすぐ下にあり、男性の尿道を取り囲むような形をしている。
 - 後ろには皮一枚あって直腸に接しているため、肛門から指を突っ込んで前立腺どうかなと、触れることができる。(と言っても後ろしか触れないけどね。)
 - 前立腺がんはPSAで分かる!けど、症状が出てからでは遅い!
 - 検診をしていなかった人の中には、おしっこが出にくくなってから受診したり、骨に転移してしまっていたりする。そうなってからだと、治療はだいぶ遅いらしい。
 
父の前立腺がんの場合
前立腺というクルミ大くらいの大きさの 袋の中にがん細胞が溜まっている状態だと見込んでいる。
大事なことは、検診で見つかった人の相対生存率は100%だということ。
100%だから死なないというわけではなく、同年代の同じ条件の人たちと比べて早死にしない、ということ。
父の場合、見つかったがんの状態と、父の体力やライフスタイル、今後の人生を
どうやって生きていきたいか、トータル的に見て、放射線治療ができそうだねという医師の判断でした。
放射線治療、今はいい治療ができます。それがこれ↓
強度変調放射線治療(IMRT)の説明
放射線治療はどうやってやる?
昔と今は違う。昔はかんかんに出る放射線をピッとやっていた(1920年代)
今回行う治療は「強度変調放射線治療(IMRT)」という、最新で精度の高い放射線治療。
1. 体の固定
- 動かないようにマスクや固定具を使い、正確に治療できるようにする
 
- 前立腺の治療ではうつ伏せになり、体を固定
 
2. 位置合わせ
- 治療台に乗ったままCTを撮影し、設計図と照合する
 
- ズレがあれば台を微調整して正しい位置に合わせる
 
3. 放射線照射
- 装置が回転しながら放射線をいろいろな角度から照射
 
- コンピュータ制御で「強くあてる部分」と「あてない部分」を調整し、副作用を減らす
 
4. 注意点(前立腺の場合)
- 前立腺のすぐ後ろにある直腸は特に守る必要がある
 
- 便や膀胱の状態で前立腺の位置が毎回少し変わるため、正しく当たらない可能性がある
 
→ 治療前から便を柔らかくする薬を飲み、毎日便を整えることが大切
→ 治療30分前に排便を済ませ、その後は水分をとって膀胱をほどよく膨らませておく
この準備をしながら、約2か月間・39回 照射を続けていきます。
ゼリー注入法について
放射線治療では前立腺のすぐ後ろにある直腸に放射線が当たり、副作用が出ることがあります。これを防ぐ方法のひとつに「ゼリー注入法(スペーサー)」があります。
お尻から針を刺し、前立腺と直腸の間にゼリーのような物質を入れて物理的に離すことで、直腸へのダメージを減らす方法です。処置は日帰りで30分ほど。生検と似た手順で、軽い麻酔を使います。
ただし、腫瘍が前立腺の外に出ている可能性がある場合は勧められません。また、処置後にMRIやCTで位置確認を行うため、治療開始が1〜2週間ほど遅れることがあります。
この方法を受ける人はまだ少数派ですが、うまくいけば直腸障害のリスクをさらに下げられます。ただし、もともと重い副作用の発生率は低く、ゼリーを使わずに治療しても大きな問題は少ないとされています。

放射線か手術か・・・結局迷走中
先生の説明をたっぷり聞いた結果――
放射線は毎日2か月通うけど普段の生活は続けられる。ただ副作用がゼロではなく、直腸を守るゼリーを入れる方法もあるけど必須ではない。
手術は入院して一気に終わるけど、麻酔や尿もれのリスクあり。
「どっちでも大丈夫ですよ」と言われて安心したはずが、逆に迷いが深まる始末。
結局、説明を聞けば聞くほど「余計わからなくなる」のが前立腺がん治療のリアルでした。
まとめ
どちらを選んでも正解は一つではありません。けれど、前立腺がんは比較的ゆっくり進むため、少し考える時間が与えられているのだと思います。その時間を大切にしながら、家族で向き合い、父の気持ちを尊重しつつ、後悔のない選択へとつなげていきたいと思います。
  
  
  
  

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